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フィレンツェ編7(前編)

アメリゴ・ヴェスプッチ空港1


Z子の悲劇(7) ~ フィレンツェ編7 前編 ~


フィレンツェ近郊の空港として、一般的にはピサ(斜塔のある街)の国際空港が知られていますが、フィレンツェ市内にも一応国際線(ヨーロッパ内の路線のみ)が発着する空港があるのです。その名はアメリゴ・ヴェスプッチ空港で、アメリカ大陸発見者のアメリゴ・ヴェスプッチがフィレンツェ出身であることにちなんでの命名と思われます。しかし、このアメリゴ・ヴェスプッチ空港は、日本語の旅行ガイドブックには滅多に登場しません。(コロンブスは、西インド諸島を発見しましたが、彼はそれをアジアの一部と考えており、アメリカ大陸を第4の大陸として発見、主張したのがアメリゴ・ヴェスプッチです。)

Z子とぼくは、その国際的にはほとんど知られていない国際空港からパリに向かうことになっていました。異国の地で、ガイドブックにも登場しない無名の空港から旅立つことほど心細いことはありません。地図にもない、リムジンバスや空港エキスプレスもない空港へ行くには、高くついてもタクシーしか考えられませんでした。エアー・フランスのパリ便に乗るためZ子とぼくは、搭乗時間の3時間前にタクシーを予約しました。「もし、早く着いても空港の免税店で買物をして時間をつぶそう。」と、早めの出発を決めたのです。何しろ、無名とは言え国際空港ですから・・・。

ところが、タクシーは高速道路に乗ったと思ったら10分も経たないうちに高速を降りてしまい、ホテルを出てわずか15分でアメリゴ・ヴェスプッチ空港に着いてしまったのです。「なぁんだ、案外近いんじゃん!」と、Z子。それでも、このとき、Z子は免税店でのショッピングに胸を膨らませていたのでした。

ところが、タクシーを降りて、空港ビルディングに入ってみてびっくり。空港待合室は田舎町のJR駅の待合室といった風情で、空港と呼ぶには小さ過ぎるものだったのです。20~30席ほどのベンチとホットドッグ屋さんとキオスクがあるだけなのです。それならばと、「早めにチェックインを済ませて、免税店でショッピングを・・・」と思っても、1日数本しか発着しない国際線の空港は、搭乗と通関の手続きをするチェックイン・カウンターと、カウンターの向こう側にデパートの喫煙所程度のガラス張り待合所があり、その先にはもう滑走路が見えています。つまり、どう見ても免税店が存在してないのです。Z子は、この日一番楽しみにしていた免税店ショッピングを、残念ながら、あきらめざるを得なくなったのでした。 (つづく)

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