ギリシャ神話の登場人物たち

ベンジャミン・ブリテン(1913~1976)作曲の「6つのメタモルフォーズ(変容)」の登場人物について解説してみました。

1.PAN(パン)                               
パンは、ヤギの角と足を持った音楽好きな牧神です。妖精シリンクスに恋したパンは、彼女を捕まえようとしますが、身の軽いシリンクスは、それをかわしてしまいます。今度こそと思って抱きしめたパンの両手をすり抜けて、シリンクスは消えてしまいます。彼の両腕には、水辺の葦(あし)の束が残り、恋にやぶれた事を悟ったパンは葦の笛で、シリンクスの思い出を悲しく奏でます。

2.PHAETON(フェイトン)                       
一日だけ、太陽を引く馬車の操縦をまかされたフェイトンは、シャリオット(馬)を上手に操ることができず、シャリオットは大空を荒れ狂って駆け廻り、宇宙は大混乱。フェイトンは、怒ったゼウスの雷で打ち落とされ河に沈んでしまいます。

3.NIOBE(ニオベ)                            
極めて出来の良い7人の息子と7人の娘たちを持ったニオベはわが子たちを誇りにしていました。神を侮辱して、ゼウスの怒りをかったニオベは、目の前で、次々と自分の子供たちを殺され、動く事もできず、ただ涙を流すだけでした。ゼウスは可哀想なニオベを見かねて、ニオベを心を持たない石に変えてしまいますが、彼女は石になっても、いつまでも涙を流し続けました。

4.BACCHUS(バッカス)                         
舞台は、酒の神「バッカス」の宴会場。泥酔したおやじ、おしゃべり女どもの井戸端会議、宴会場に入れてもらえずチョロチョロと駆け抜けていく子供たち、等々・・・・・。バッカスの宴会は、毎日にぎやかです。

5.NARCISSUS(ナルシサス)                     
水に映った自分の姿に恋をしてしまったナルシサスは、いつまでも水辺を離れることができず、足は土に埋もれ根となり、彼自身、水辺をのぞくように咲く水仙の花になってしまいました。

6.ARETHUSA(アレトゥーサ)                      
河の神・アルペイオスの愛から逃れようとするアレトゥーサは、オルテューサ島に身を隠し、ひっそりと暮らすあまり、その島の泉になりました。 


「6つのメタモルフォーズ」は1951年に作曲された無伴奏オーボエのためのソロピースです。ギリシャ神話に登場人物がその心や体を変化させて行く様子が描かれています。