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フィレンツェ編6

アラ・ヴェッキア・ベトラ(前編)


Z子の悲劇 ~フィレンツェ編6 前編~ 


フィレンツェの市街はドゥオモやシニョーリア広場のある地区を中心に広がっています。そして、ほとんどの観光やショッピングの要所はこの地区にあります。黄金のトビラのサン・ジョバンニ洗礼堂はドゥオモの向い、ダビデ像のあるシニョーリア広場はドゥオモからダンテの生家を挟んだ南側、広場に面したウフィッツィ美術館、シニョーリアとリパブリカの両広場からはいくつもの小道が始まり、その通りには無数のブランド店があります。貴金属で有名なヴェッキオ橋はウフィッツィ美術館から室内通路でつながっており、橋の上の屋根付き廊下を通ってアルノ川を渡り、川むこうのピティ宮殿まで歩いて行けます。ただ、観光客でここまで遠出をする人は少なく、ヴェッキオ橋を渡るとめっきり人通りが少なくなります。


アルノ川に架かるヴェッキオ橋
この日、Z子は、フィレンツェに留学していた親友のY嬢に紹介されたレストラン「アラ・ヴェッキア・ベトラ」で昼食をとることに決めていました。何しろ、大のグルメ=Y嬢の推薦する店ですから、美味しくない訳がないと信じたのです。しかし、そのレストランの場所はいつもZ子がナワバリにしているシニョーリア広場の辺りではなく、ヴェッキオ橋を渡ったはるかむこう側なのです。Z子とぼくは午前中にいくつかの買物を済ませ、その勢いでヴェッキオ橋を渡り、ピティ宮殿まで歩いて来た時、地図を開いてみて、そのレストラン「アラ・ヴェッキア・ベトラ」までは、まだまだ随分と距離があることを悟ったのです。

フィレンツェ市内を観光している限りタクシーを利用することはありませんが、Z子は「ここは、タクシーに乗るっきゃない!」と決心し、ピティ宮殿前の広場でタクシーを拾うことにしました。ここには少ないと言っても数組の観光客らしいグループもいて、すぐにタクシーが捕まると思いました。ただ、この広場には、正式なタクシー乗り場がなく、観光客も少ないので客待ちのタクシーもいないのです。ピティ宮殿入口の前でアメリカ人観光客がタクシーを待っていたので、一緒に待つことにしましたが、なかなかタクシーは現れず30分程してやっと別の観光客が乗り捨てたタクシーにアメリカ人が乗って行きました。このままじゃあと30分も待つことになるので、Z子とぼくは表通りの交差点に移動してタクシーを拾うことにしました。ところが、ここでも結局タクシーを捕まえるのに30分もかかってしまいました。イタリアでは流しのタクシーは捕まえにくいのです。タクシー1台を拾うのに1時間も(その間ぼくはあっちの角へ、こっちの角へとタクシーを探して走り回ったのです・・)かかりクタクタになりながら、やっとの思いでタクシーに乗り込んで、Z子の夢みるレストラン「アラ・ヴェッキア・ベトラ」に向かったのでした。(後編へつづく)



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